新しき力、芽吹く季節
24年の川崎は桜花賞で幕が開ける。「川崎市制100周年・開設74周年記念桜花賞海老澤清杯」が1月18日から開催される。23年は2度のタイトルを奪取した眞杉匠をはじめ、4人の新S級S班が顔をそろえる豪華メンバーだ。リニューアルされてからの初めての記念シリーズで、熱きバトルが繰り広げられる。
残念ながらS班は4年で途切れた郡司浩平だが、ホームバンクの記念で主役の座は譲れない。23年は今ひとつリズムに乗れなかった感もあるが、記念は4度の優勝を遂げている。11月の競輪祭では12⑤❹2着でシリーズ3連対。準決は惜しくも4着で優出を逃したが、動き自体は軽快だった。昨年4月の桜花賞では松浦悠士と同着で優勝を分け合い、4度目の川崎記念を制覇。S班に返り咲いた深谷知広、地元記念Vも視野に入るまで力をつけた北井佑季、渡邉雄太らと層の厚い南関勢の結束で、他地区を迎え撃とう。
松浦、清水裕友のS班がタッグを組む中四国勢が強力だ。ウィナーズカップ、サマーナイトフェスティバルと2度のGⅡを制した松浦は、新たなシーズンもS班をキープ。23年も中四国勢の中心を担い、安定した成績を残した。清水が1年でS班にカムバックを果たしたことも、中四国勢にはプラス材料。2人を軸として、スピードある太田竜馬、ベテランの香川雄介らとラインがうまく機能すれば、他地区にとっては脅威になる。
8月のオールスターで初タイトルを奪取した眞杉匠は、11月の競輪祭を単騎で制覇。今や押しも押されもしない関東のエースにまでなった。先行力は輪界指折りの存在だが、俊敏に動ける器用さも身につけている。諸橋愛、佐々木悠葵らをリードして、自身の機動力で関東勢に流れを引き込みたい。
近畿勢は戦力豊富とは言えないなかで、稲川翔の動向が注目される。未勝利に終わった11月の競輪祭を見てもわかるように、前期はビッグで思うような結果を出せなかったが、元来の力から侮れない。11月の防府記念では3連勝の優出。二次予選で稲川とのワンツーで逃げ切っている高久保雄介の存在は心強い。
渡邉一成、佐々木雄一、竹内智彦らの北日本勢は、経験値があるだけに軽視はできない。また、若い力がかみ合うと怖い九州勢の浮上もあっていい。
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